1歳11カ月なったばかりの娘が突然高熱を出したのは、ある暑い夏の夜のことでした。昼間は元気に遊んでいて、特に気になる症状もなかったのに、夜になって急に体が熱くなり、体温計は39.2℃。
「え、こんなに急に…?」と、焦る私たち。これが後に「突発性発疹」と判明されるまでの、長くて短い4日間のはじまりでした。
目次
突然の高熱に、動揺する夜
どんな病気であっても子供の発熱というのは、本当に心細いものです。子どもが寝ているそばで何度も熱を測り、水分を飲ませ、汗を拭いて…寝ようと思っても気になって目が覚めてしまいます。
何よりつらかったのは、「これが何の病気なのか」がわからなかったこと。
熱以外の症状が特にない。咳も鼻水もなし。ただ、体は熱くて、呼びかけにも反応が鈍いときがある。
私は思わずスマホで「2歳 高熱 続く」「突然 高熱 病気」と検索魔になっていました。
「熱性けいれんを起こすかもしれない」「髄膜炎だったらどうしよう」…そんな不安が頭の中をぐるぐると回り、全然眠れませんでした。
病院での診断、そして安心と困惑
翌朝、小児科を受診すると、医師から言われたのは
「突発性発疹の可能性が高いですね」という言葉でした。
突発性発疹。どこかで聞いたことがあるような、でも詳しくは知らない病名。
先生の説明によると、
- 乳幼児によくあるウイルス感染
- 突然高熱が出て、3〜4日続く
- 解熱後に全身に赤い発疹が出る
- 基本的には自然に治る
とのこと。
「とくに薬はありません。熱が高ければ座薬や解熱剤を使ってください」と言われました。
原因がわかっただけで少し安心はしました。でも、まだ熱は続いていて、本人はぼんやりしていて食欲もなく、水分も少しずつしか飲めません。
「あと何日続くのかな」「けいれん起こしたらどうしよう」と、不安は消えませんでした。
看病しながらの3日間 ― 親としての揺れる気持ち
娘は普段、食べるのが大好きで、元気いっぱいなタイプ。なのに、この3日間は、ほとんど食べず、ずっとゴロゴロしていました。
「ごはん食べよっか?」と声をかけても、首を振るだけ。
おかゆ、ゼリー、りんごジュース、アイス…思いつく限りのものを試しましたが、どれもほんの少ししか食べませんでした。
ずっと抱っこをせがみ、少し離れると泣く。寝ついてもすぐに目を覚まし、また熱が上がっている…。
日中も夜も、ずっとそばについていなければならない日々。
私自身の体力もどんどん消耗していきました。
夜、ふと鏡を見ると、目の下にクマができた自分が映っていて、「もう限界かも」と思った瞬間もありました。
それでも、抱っこされてうとうとしている娘の顔を見ると、「私がそばにいることが、少しでも安心になってるのかな」と思えて、力がわいてきました。
解熱とともに出た発疹 そしてようやく笑顔が戻る
発熱から3日目の朝。娘の体温が、少し下がってきました。
「38.0℃」→「37.5℃」→「36.8℃」と、ゆっくりとですが確実に。
「ようやく…!」と喜んだのもつかの間、今度は体に赤いポツポツが。
お腹から背中、首、そして顔にまで広がっていきました。
でも、これが「突発性発疹」の証。
発疹が出るということは、熱のピークを越えたサインだと聞いていたので、心の底からホッとしました。
そして、数日ぶりに見せてくれた娘の笑顔。
「ママ〜」と声をかけてきて、久しぶりにおもちゃで遊ぶ姿。
その姿に、私は思わず涙が出そうになりました。
子どもが感じていたこと ― 言葉にできないつらさ
今回の発熱で感じたのは、「言葉で伝えられない小さな子のつらさ」でした。
熱くてつらい。のどが痛いのか、お腹が気持ち悪いのか、自分でもよくわからない。でもなんかイヤ。ママがいないと泣いちゃう。寝たいけど寝られない。
きっとそんな気持ちで過ごしていたのだと思います。
抱っこされたときの安心した顔や、私の胸にぎゅっと顔をうずめる姿に、「がんばってるね、つらかったね」と何度も声をかけました。
看病の中で気づいた、小さな知恵と親としての成長
突発性発疹の看病は、正直とても大変でした。でも、その中で得たこともたくさんありました。
- 熱があるときは「無理に食べさせない」こと
- とにかく水分第一(ストロー付きの小さいボトルが便利!)
- クーリング(冷却シートやぬれタオル)も様子を見ながら
- 親自身も休めるときに休むことが超大事
何より、「心配しすぎなくても大丈夫な病気だった」ということを知れたのが、大きな学びでした。
同じように悩むパパ・ママへ
高熱が続くと、本当に不安になりますよね。
特に夜中、ネット検索してはどんどん怖くなるあの気持ち、よくわかります。
でも、突発性発疹は多くの子が通る道。
今はつらくても、必ず回復する日が来ます。
子どもには回復力があります。そして、あなたのそばにいるだけで、安心してがんばれる力も持っています。
不安でいっぱいの中でも、抱っこしてくれるあなたの腕が、いちばんの薬になっているはずです。
おわりに
娘の発熱が治まり、元気に遊ぶ姿を見ている今、あの3日間の看病は「親としての大切な経験」だったと感じています。
そして、もしまた次に高熱が出ても、前よりは落ち着いて向き合える。そんな気がしています。
誰かの子育ての日々に、少しでも寄り添えたら嬉しいです。
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